企画者

企画者 および 審査員の紹介です!


企画者・審査員長

暴力と破滅の運び手

略歴:会社員をしながら小説を書く人。代表作はマゾの侍が鞭打ちを迫ってくるミリしら羅生門。京都在住。既発表作品は「灰は灰へ、塵は塵へ」(VG+)、自主出版の短編集『ブラームスの乳首』等多数。また翻訳作品にソハム・グハ「波の上の人生」(橋本輝幸氏との共訳)。好きなおじさんはジェレミー・レナー。

見せてもらいましょう。あなたのすべてを。

私がはじめてBLを読んだのは、小学2年生のときでした。姉が持っていた『ホイッスル!』の同人アンソロジーです。完全に事故ですね。ところであなた、同人アンソロジーをご存知? まあ、ご存知だろうが、そうでなかろうが、どうでもよいことです。
あなたは何をエッチだと思いますか? 
私が知りたいのは、ただそれだけです。
実のところ、どんなものを求めているのか、どんなものを与えられれば満足するのか、私にも分かっていません。リストを見ていただければわかる通り、何だって構わないのです――作品を通して、私を納得させてくれさえすれば。
だから、あなたがエッチだと思うものを書いてください。私がエッチだと思うかどうかなんて、些細なことですから。

◎エッチだと思うもの 〜小説・漫画編〜
飛浩隆『グラン・ヴァカンス』『ラギット・ガール』
どのAIが一番好きかと言われると言葉に詰まる。
佐藤亜紀「花嫁」(『天使・雲雀』所収)
『天使』含め人妻ものジャンルにおける最高の達成のひとつだと思っている。
高野文子「マヨネーズ」(『黄色い本』所収)
「奥村さんのお茄子」とこれは高野文子謹製おじさんポルノだと思っている。
ジョナサン・リテル『慈しみの女神たち』
まるで意味の分からない部分で性的な要素が出てきてびっくりする。死にかけて保養地送りにされて現地で若い下士官とねんごろになるくだりとか本気で訳がわからない。
木原音瀬『箱の中』『檻の外』
萌えていいのかどうなのか微妙なラインを書くのが上手い。
一穂ミチ『ステノグラフィカ』
何かね、おじさんのディティールが異様に細やかでいいんすよ。
高村薫『李歐』
高村薫は私たちに教えてくれました。狙った男を自分の国に連れ帰るためにはそいつの家族を爆殺してもいいということを。
朝田ねむい『マイリトルインフェルノ』
『スリーピングデッド』や『CALL』もいいけども。
村上キャンプ『わたしは司会者』
栃木の星は九井諒子と村上キャンプ。
アリス・オズマン『ハートストッパー』
Webで読める最新章が全ページ“性”って感じなんですけどどうしたらいい?

番外編:マーサ・ウェルズ〈マーダーボット・ダイアリー〉シリーズ
私はグラシン博士が好きなので、日頃からエッチなことを考えるのを怠っており何にも書くことが思い浮かばなかった人はグラシン×弊機とかグラシン×ラッティを送ってください。(審査対象にはならないけど私が喜ぶ)

◎エッチだと思うもの 〜映画編〜
ガイ・リッチー『シャーロック・ホームズ』
あなたの洋画BLはどこから? 私はここから。
オフュルス『快楽』
都会の娼婦に鼻の下のばすジャン・ギャバンがもさくていい。
ロメール『愛の昼下がり』
なんなんだあのネックレスのエロ妄想は。
城定秀夫『欲しがり奈々ちゃん 〜ひとくち、ちょうだい〜』
これほどいい映画はなかなかない。お父さんが竿役になるのがよかった。
ホークス『赤ちゃん教育』
私もケイリー・グラントを酷い目に合わせて楽しみたい。
ラオール・ウォルシュ『追跡』
ロバート・ミッチャムがドレスシャツを着たまま拘束され、馬に乗せられます。
キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』
脇に汗をかいているジェレミー・レナーがいい。
フィンチャー『ファイト・クラブ』
ブラピのタンクトップ姿がよすぎる。エドワード・ノートンもいい。
アダム・マッケイ『ドント・ルック・アップ』
私もディカプリオを涙目にして楽しみたい。
増村保造『兵隊やくざ』
これはいいBL。


企画者・審査員

井上彼方

略歴:SF企業VGプラス合同会社のクリエイティブディレクター。オンラインSF誌 Kaguya Planet、SFレーベルKaguya Booksの編集者。編書『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』(Kaguya Books)、『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』(社会評論社)。フェミニスト。

最近一番エッチだなと思ったものは、一緒に暮らしている黒猫のこねさんが座っているときに肩に浮き出る、肩甲骨の曲線美です。まだあまり仲良くない猫さんに、ちょっとずつ接近する瞬間も最高にエッチですね。

普段はSF企業VGプラスが運営しているKaguya PlanetというオンラインSF誌のコーディネーターをしています。そこに掲載した枯木枕「となり合う呼吸」のことを、暴力と破滅の運び手さんが「エッチだ」と言っていたのをお見かけし、「性的な描写が全然ないのに??? まあでも、暴力と破滅の運び手さんにそう言われるとそうかもしれないという気がしてくるぞ……!」と思ったのをきっかけに、暴力と破滅の運び手さんを審査員長にお招きして、「エッチかどうか」で審査してもらうコンテストをやりたいなと思っていました。

SF、幻想文学、虚構性の高い小説を好みます。フィクションが現実社会に作り出す余白でなら、なんとか折り合いをつけて生きていける気がしているからです。あなたの想像力が作り出す最高のエッチを、あなたの審美眼が見出す最高のエッチを見せてください。


ゲスト審査員

橋本

略歴:小説をよく読み、ときに編んだりもする鹿です。世の中には、性的な目で見られる対象がごく限られている人(年齢や性別や外見その他の属性や、シチュエーション等)が多いことに驚きながら成長してきました。雑食です。

昔は私にも「箸が転んでもおかしい年頃」ならぬ「箸が転んでもエッチだと思う年頃」があり、えろいものが宝物だったおぼえはあります。『BASTARD!!』のサービスシーンとか?

空山基やH・R・ギーガーが結構好きでした。また、まだセクシャルなものがよくわかっていない幼児のころから悪役女性キャラが大好きでした。

あと『SFバカ本』シリーズ収録作の一部や、牧野修、柾悟郎、野阿梓の諸作には自由さや痛快さを感じてきました。これはたぶん、性的な性癖に合致するかとは別の部分で。

フマノ

略歴:普段の生活で気になったことを調べてはサイトにまとめています。

性に関わる擬似科学について調べて個人サイトに投稿していたところ、暴力と破滅の運び手さんにゲスト審査員として捕捉されました。僭越ではございますが、頑張りますね!


イラスト

兼町ワニ太(かねまち わにた)


イラストレーター・大人のブックバー「ワニと外套」店主(自称)。好きなおじさんは「はじまりのうた」のマーク・ラファロ。

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